ぼたもち(仮)の重箱

躁うつ病、万年筆、手帳、当事者研究、ぼたもちさんのつれづれ毎日

まなざし

深夜にふと書いてみた詩を二編。

 

(私は小説や詩を書くのも好きです)

 

 

*****

 

苦しみの中身はわかってる
なにが悪いのかも
それは私ではなく
それはあなたでもなく


少しだけ遠い
悪魔のしわざで

 

雪より白くしてくださいと
いつわりの証しをし
嘘で自らを塗りかため

 

私のさけびは
闇にかき消されていく
だれがきいてくれるのか
血のにじむ 魂の さけびを

 

主はきいておられる
主はきいておられる

 

なのにその み手は遠く
この世からは届かない

 

煤の味のする雪を食べるように
私は今夜も こころをきざむ

 

鋭いナイフで切りきざまれ
もとの形はわからない

 

これが私のこころ
これが私のからだ

 

美しさも みにくさも
そこには存在せず
ただ 捨て置かれている

 

そのむなしさは
誰もいない 廃墟のように

 

無理のある笑顔と
見せかけの元気で
なにごともなかったかのごとく
今をすごす

 

たしかな記憶はなく

 

しかし ここにいて

 

燃えかすが
首をかしげて
わらっている

 

 

*****

 

 

闇から光へ
皮肉なことに 近道はない
必ず通らねばならぬ道があり
必ず越えねばならぬ山坂がある

 

その道は狭く
たったひとりしか通れない
手を引いてくれる人はなく
抱きとめてくれる人もなく

 

道半ばでたおれる人もいる
みずから崖を落ちる人も

 

きれいごとは ない

 

あなたは ひとりなのだ
わたしも

 

ひとりぼっちの
弱いよわい足を
誰がささえてくれようか

 

この狭い道で
見渡すかぎり たすけはなく

 

それでも 進み続けるのは
闇よりも光を
求めていたいから

 

光を求めていれば
かならず

 

この苦しみはいやされず
取り去られることもないのに

 

それでも
光を

 

けれども 闇はくらく
つよく吸い寄せる力をもち
弱いわたしのこころは
落ちていきそうになる

 

ずるずると

 

じわじわと

 

闇は 光には勝てぬ
そう信じてきた

 

ほんとうの闇を
見るまでは

 

このしずかなたたかいに
わたしは
勝つのだ

 

誰もいない ひとりの道で
つよい風のなかで

 

希望など 見えない
光にも とどかない
夢もなにもかも そこにはなく

 

ただ 一対のまなざしが
人のような かたちを借りて
わたしを見守っていた

 

それはきびしくもあたたかく
わたしを まもっている