あなたのちいさなことばが
冷静に放たれたものではなく
こころからふきだす
悲痛な叫びであったことに
わたしは気づかなかった
雪がとけていくかのごとく
わたしの 脈うつ 心臓が
あらわれてくるのがみえる
握ったナイフを
ふり下ろすことはなく
そのことばは ふわりとして
たしかな実体はなく
わたしのおくそこに
羽のように おりてくる
羽のように かるいから
悲痛なおもみは わからずに
結晶がとけていくのを たのしむように
てのひらでころがしていた
いつか
雪は まっしろな 花にかわり
わたしのむねに 咲きほこっている
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死ぬほどの苦しみ。
私を救い出したのは、
あなたや、あなたや、あなたの姿を借りた、