ぼたもち(仮)の重箱

躁うつ病、万年筆、手帳、当事者研究、ぼたもちさんのつれづれ毎日

あの人を、夢に見た

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あの人が、好きだった。

想いを伝えたけれど、あっさりと振られた。

 

あの人の、夢を見た。

こんな年になってしまったけれど、結婚しよう。

 

目が覚めたら、私はひとりだった。

あの人にはもう、愛する人がいた。

あの人はただの一度も、私を振り向くことはなかった。

 

夢の中で、私は傷だらけのままの私で。

あの人も傷ついてひとりぼっちだった。

人生も半ばを過ぎて、ようやく向き合い、手を取り合った。

それなのに。

 

目覚めれば、私はひとり。

あの人は、ふたり。

 

今さら涙も流れない。

こんなことは、慣れている。

 

私は誰からも振り向かれない。

なぜなら、誰のことも愛していないから。

ただ、ひとりぼっちになるのが怖くて、誰かに頼りたかっただけ。

たったそれだけの、ちっぽけな私。

 

誰も私を振り向くことはない。

それが、正しい。

 

あの人は、正しかった。

 

それが、私のためだった。