垣根涼介さんの「信長の原理」を読了しました。
いやあああああああすごかったあああああああ!!
私は日本の歴史には(世界の歴史も)とんと興味がなくて、時代モノの小説を読んだのは初めてでした。
実は数か月前に読み始めていたのですが、四分の一くらいで止まっていて。
なかなか先に進まなかったのです。
あの、えっと、本が重くて……(ホント)
でもね、これ、当事者研究のための課題図書だったのです。
だからがんばった。
最初は一生懸命、一文字も読み落とさないように注意深く読んでいたのですが、
「あ、この読み方ではだめだ」
と急に気づいて、もっと気軽にサラサラと読み進めるようにしました。
そしたらね。
今朝の2時(目が覚めちまった)から正午になるまでに、残りの四分の三を全て読み終わりました。
急にスピードが上がった。
それはなぜか。
面白かったからだよ。
こ、これはすごい本だった……!
この世の、全宇宙の「理(ことわり)」の物語でした。
この世に「神や仏」はいるかどうか?
いるかどうかはあまり問題ではなくて。
でも、どうにもならない「理」というか「法則性」。
そんなものが、この世にはたくさんあります。
もしかして神がいちゃうんじゃないかって思うくらいの、「こういうことすると必ずこんな流れになるよね」的なことわり。
織田信長は幼い頃に、人間関係におけるひとつの法則性を発見します。
その法則性に自分だけはとらわれない、自由になって法則すら制してみせる、そんな風に生きてきたのですが……
彼もまた、その「理」の中にあり、逃れることはできなかった。
人生五十年かけて、「理」と闘い、この世を知っていく物語。
織田信長やその周辺の人間模様が、実に実によく描かれています。
歴史上なにがあったかはよくわからなくてもですね(残念)。
人間心理劇としての読み物です。
人の物語です。
そこに至るまでの最後の盛り上がりは半端じゃなかったです。
結果がわかってるのにここまでドキドキさせるのすごいな。
さすがたくさんの作品を書いている作家さんだけあります。
素晴らしかったですよ。
ここから私が何を読み取るか。
さて、当事者研究です。
なぜこの本がテキストになったのか。
よく考えます。
日々コツコツ研究ナリよ。