ぼたもち(仮)の重箱

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トラウマの臨床心理学(西澤哲)

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読み終わりました。

前の本(心的外傷と回復)を一休みして読んだ。

 

非常に勉強になりました!

主に子どもの虐待のことがテーマだったので、最初、「私は成人だからなぁ」なんて思いながら読んでいたのですが、読み進めるうちに、これは年齢は関係ない!……とわかりました。

どうやらPTSDは子どもでも大人でも、現象面ではほとんど変わらないようですね。

 

興味深いものが「ポストトラウマティックプレイ」。

トラウマ的な被害を受けた後、子どもが遊びの中で被害を再現する現象。

お人形さんを叩いたり振り回したり、年少のきょうだいに乱暴したり。

さらに進んで、お人形さんを治療したりもする。

でも、本人には被害の明確な記憶はない。

トラウマがそれを再現させてるんですね。

回復のために必要なステップのようです。

 

私もやってました。再現すること。

 

お人形遊びはしなくても、いろいろと再現(トラウマ的な事や人間関係を繰り返す)をしていました。

わざわざ暴力的な人に近づいたりね。

わざわざ暴力的な関係性になったりね。

最近それがパターンだとようやく気づきました。

 

最近、ネットでとある人物の名前を見かけました。

以前から知っている人ですが、別に知っているだけで付き合いはない。

その名前を見ただけで、ぎゃー!!っと嫌になりました。

でも以前は必死でその人に近づこうとしていたのですよ。

で、ちょっとだけ暴力的なことを言われたりして、悲しくて距離を置いているうちにそのまま遠ざかった。

その名前を見たら、

 

「この人、きらい!!」

 

と、頭が反応したのです。

 

なんと。

私が誰かを嫌いになるなんて。

いや、普通ですが、あまりなかった。

私は他者を嫌ってはならないと思い込んでた。

 

いやいや、嫌っていいんですよ……

いい子ぶる必要はない。

嫌なものは嫌です。

 

私はちょっと感動しましたよ。

 

私でも、明確に「きらい!!」と言える。

本人には言いませんが(角が立つ)。

でも、言おうと思えば言えるかもね。

 

よかった。

私が少しずつ人間らしくなっている。

 

暴力的な関係性になりがちな人を、意識的に遠ざけて嫌うことができるのは、とても健康的だと思います。

嬉しい嬉しい。

 

トラウマ的なものによって麻痺していた私の心が、少しずつ人間らしくなってきているようです。

 

この本を読んで、そんなことを思い出していました。

 

うん、回復しているぞ。

 

 

 

トラウマの臨床心理学

トラウマの臨床心理学