有名なので、ご存知ないかたはいないかと。
私も若い頃から大好きでした。
でも、若い頃に途中まで読んで(どこまでか忘れた)、その後は存在を忘れてしまっていました。
このたび、当事者研究の一環として、再読することをセラピストさんから勧められて、改めて新潮文庫版を買い直したんです!
うわーい! 久しぶり!!
20年ぶり以上か?
当時はまだ私も若かったので、この作品の凄さがあまりわかっていなかったのですが、大人になって、しかも認知の歪みを持つような病気になってから改めて読み直してみると、何という刺さる物語……
自分とは、生きるとは、他者との関係とは、信頼とは、裏切りとは、アイデンティティとは……ありとあらゆるものが詰め込まれています。小野不由美さんて本当に物凄い作家です(夫の綾辻行人さんも大好きな作家ですが、妻のほうが大物っぽい)。
メンタルの病気で回復途上にある人は、これとてもいいテキストになりそうですね。
特に「人間関係」について、学ぶことが多い。
この「月の影 影の海」は陽子という高校生が主人公ですが、文庫二冊が終わるまでに本人の希望ではなく急激な成長を遂げさせられるのですけど、読者も共に成長できちゃいます。
人間って、こんなにも自分勝手だった。それでも互いに少しずつ依存し合って生きずにはいられない存在。人間って人間って人間ーなんてらららーららららーらー。
私もまたそんな人間なんですね。
信じたり信じられたり、裏切ったり裏切られたり、それでもまた信頼し合ったり。
思わず涙が出てしまう作品です。
この二冊だけでも読み終わると、「生きるために生きよう」と思えます。
自分だけでも自分を大切にしてやろう。
自分にとって、自分を価値あるものとしてやろう。
そして、正しく自分を統御したい。
そんな風に思うようになります。
この先もさらに読み進めますが、多分読むたびにガツンと来るだろう。それを楽しもう。成長しよう。成長できる!!
人間関係に悩んでいる社会人の皆様にオススメです♪
若い方々にもいいけど、大人が読むとガツンとくるよ!